飲食・宿泊
配膳・下げ膳に使えるロボット
客席への料理の運搬と食器の回収。通路幅と段差、そしてホール動線の設計が成否を分ける。
候補機種(2)
配膳ロボットは何で決まるのか
配膳ロボットは、国内で最も普及が進んだサービスロボットです。導入のハードルが低く、月額のレンタルで始められるため、比較検討そのものは難しくありません。
難しいのは、入れたあとに使われ続けるかどうかです。導入して数か月で隅に置かれたままになっている店舗は、珍しくありません。
先に測るのは通路
カタログには「最小通路幅 ○○cm」と書いてあります。これはその幅を通過できるという意味であって、その幅で運用できるという意味ではありません。
実際の運用では次が要ります。
- ロボットが通るときに、店員や客が横をすり抜けられる幅
- 曲がり角での内輪差
- 椅子が引かれた状態の通路幅(客が座っていれば椅子は出ています)
- 待避スペース(すれ違えない場所で、どちらかが待つ場所)
混雑時の通路を、椅子が出た状態で測ってください。 空の店内で測った数字は役に立ちません。
段差も同様です。カタログ上の許容段差は数 mm 単位のことが多く、店舗の入口やフロア境界のわずかな段差で止まります。スロープの追加が要るかを確認しておきます。
何を運ばせるかを決める
配膳ロボットの使い方には、大きく二つあります。
料理を運ぶ。 厨房から客席へ。効果は大きいですが、「あと何メートル」の最後の一手を人がやる必要があります。ロボットは席の横まで来るだけで、皿をテーブルに置くのは店員か客です。
下げ膳に使う。 客が自分で食器を載せる運用にすると、店員の往復が丸ごと減ります。効果が大きいのは実はこちらという店舗が多いです。ただし客に協力してもらう前提なので、案内の掲示と店員の声かけが要ります。
どちらを主目的にするかで、必要な台数と置き場所が変わります。
運用ルールを先に作る
導入がうまくいく店舗と、そうでない店舗の差は、ほぼここに出ます。
- 誰が料理を載せるか。 厨房か、ホールか。載せる場所は動線上にあるか。
- 呼び出しは誰がやるか。 タブレットの操作を全員ができるか。
- 止まったとき誰が対応するか。 障害物で止まったロボットが放置されると、通路をふさぐ「邪魔なもの」になります。
- 充電はいつやるか。 営業中に充電が切れると、その日は使えません。
これを開店前に決めて紙にしておかないと、忙しい時間帯に「ロボットを使うより自分で運んだほうが速い」となり、そのまま使われなくなります。
費用の見方
国内では月額レンタル・サブスクリプションでの提供が中心です。買い取りより初期費用が抑えられる一方、総額は契約年数で大きく変わります。3 年使うつもりなら、買い取り価格と総支払額を比べてください。
含まれる範囲も確認します。
- 保守・故障時の対応
- 地図の作成と、レイアウト変更時の再設定
- ソフトウェアの更新
- 途中解約の条件
レイアウトを変えるたびに費用が発生する契約だと、席の配置を変えにくくなります。
効果の測り方
導入前に、次を実測しておくと効果が見えます。
- ホール担当者が 1 営業日に歩く距離(スマートフォンの歩数計で十分です)
- 料理提供までの平均時間
- ピーク時のホール人数
導入後に同じものを測れば、削減できた歩行距離が数字で出ます。人件費に換算する前に、歩行距離の削減という中間指標で見るほうが、現場の納得を得やすいです。
関連する言い方: 配膳ロボット / レストラン ロボット