物流
倉庫内搬送に使えるロボット
棚・カゴ車・パレットの構内搬送。走行距離あたりの搬送量と、既存レイアウトを変えずに導入できるかで比較する。
候補機種(5)
倉庫内搬送ロボットの選び方
上の表は候補機種の一覧ですが、この表から選び始めると、たいてい失敗します。順序が逆だからです。
先に決めること
1. 何を運ぶか。 パレットなのか、カゴ車なのか、コンテナなのか。重量とサイズが決まらないと可搬重量の要件が決まりません。ここが曖昧なまま「250kg クラスで」と決めると、実際には牽引方式のほうが安く済んだ、ということが起きます。
2. どこからどこへ、1 日何回か。 これが搬送量の要件になり、必要な台数を決めます。1 日 20 往復なら 1 台で足り、200 往復ならフリート運用の設計が必要です。台数が増えると、群制御ソフトの費用と充電ステーションの設置が効いてきます。
3. 通路の実測。 カタログの「最小通路幅」は、その幅を通れるという意味であって、人とすれ違えるという意味ではありません。実際の運用では、すれ違い・待避・曲がり角の内輪差を見込んだ幅が要ります。段差、スロープ勾配、床の材質(グレーチングや金属板は自己位置推定を狂わせることがあります)も測っておきます。
4. 上位システムとの接続。 倉庫管理システム(WMS)から搬送指示を出すのか、現場のボタンで呼ぶのか。API 連携が必要なら、その開発を誰がやるのか、費用はどちらの見積もりに入っているのかを最初に確認します。この工程が抜けたまま契約すると、機体は届いたのに運用が始まらない状態になります。
機種比較で見るべき項目
要件が固まってから、はじめて表を見ます。
- 可搬重量 — 積載物の最大重量ではなく、余裕を見た値で判断します。
- 最高速度 — カタログ値は直線での最高速です。実際の平均速度は人の往来で大きく落ちるため、そのまま搬送量に換算しないこと。
- 稼働時間と充電方式 — 連続稼働時間より、「1 日の稼働率」で考えます。自動充電に対応していれば、稼働時間が短くても回せます。
- 上物の交換可否 — 棚搬送・牽引・コンベアと用途を変えたくなったとき、車体を買い直さずに済むか。
- 国内サポート — 故障時に何営業日で来られるか。海外メーカーの場合、これが実質的な決定要因になることがあります。
費用の見積もり方
本体価格だけで比べると判断を誤ります。次を足した総額で比較してください。
- 本体価格 × 台数
- 充電ステーション
- 群制御ソフトのライセンス(年額の場合あり)
- WMS 連携の開発費
- 現場改修(段差解消、通路の確保、扉やエレベーターの改造)
- 保守契約(年額)
そのうえで、削減できる人件費と、増える搬送量から回収期間を出します。多くの現場で回収の中心になるのは「歩行時間の削減」です。作業者が 1 日に何 km 歩いているかを実測すると、効果の見積もりが具体的になります。
補助金
ものづくり補助金や省力化投資補助金など、搬送自動化が対象になり得る制度があります。ただし公募時期と要件は年度ごとに変わるため、必ず最新の公募要領を確認してください。SIer 側が申請支援まで対応する場合もあるので、見積もり時に聞いておくとよいです。
関連する言い方: 構内搬送 / AGV AMR 比較 / 無人搬送車