AGV と AMR は何が違うのか

公開 2026年8月26日

構内搬送の自動化を調べ始めると、AGV と AMR という言葉が並んで出てきます。どちらも「無人で物を運ぶ車」ですが、選定の判断軸はかなり違います。

一言でいうと

AGV(Automated Guided Vehicle) は、床に敷いた磁気テープや誘導線、あるいは天井の反射板といった 外部のガイドをたどって 走ります。決められた道の上を、決められた順に動きます。

AMR(Autonomous Mobile Robot) は、レーザースキャナやカメラで周囲を測りながら 自分で地図を作り、自分で経路を決めて 走ります。人や台車が道をふさいでいれば、避けて回り込みます。

何が実務で効いてくるか

AGV AMR
走行の基準 床のテープ・誘導線など 自己位置推定(SLAM)
導入時の工事 床面工事が必要 ほぼ不要
経路の変更 テープの貼り替え 地図上で設定を変更
障害物 停止して待つのが基本 迂回できる
本体価格 相対的に安い傾向 相対的に高い傾向
向く現場 動線が固定されている大量搬送 レイアウトが変わる、人と混在する現場

本体価格だけを比べると AGV が有利に見えることが多いのですが、比較すべきは 総額 です。床面工事の費用、工事中にラインを止める損失、そして数か月後にレイアウトを変えたくなったときの再工事。この三つを足すと、順序が入れ替わることがあります。

逆に、動線が何年も変わらず、同じ経路を大量に往復するだけの現場であれば、AGV の単純さと安さは正しい選択です。「新しいほうがよい」という話ではありません。

判断のための質問

見積もりを取る前に、自分の現場について答えておくとよい質問です。

  • 通路に人や手押し台車は入ってくるか。 入ってくるなら、停止して待つだけの AGV は流量を落とします。
  • 今後 3 年でレイアウトを変える予定はあるか。 あるなら、床工事の再実施コストを見込む必要があります。
  • 通路幅と段差はどうか。 カタログ上の最小通路幅は、実際にはすれ違いや待避を考えるともう少し必要になります。段差やスロープの許容値は機種差が大きい項目です。
  • 上位システムと繋ぐか。 WMS や生産管理と連携させるなら、API の有無と、その開発を誰がやるのかを先に決めておきます。ここが後回しになると導入が長引きます。
  • 何台に増やす想定か。 複数台を同時に走らせるなら、フリートマネージャ(群制御)の機能と追加費用を確認します。

現場でよく詰まるところ

自動化そのものより、周辺の運用で止まることが多いです。

エレベーター連携。 複数フロアで使うなら、ロボットがエレベーターを呼んで乗り降りする仕組みが要ります。既存のエレベーターに後付けできるかはメーカーと機種次第で、改修費が大きく効くことがあります。

荷役の自動化。 ロボットが目的地に着いても、人が荷物を載せ降ろしするなら、削減できたのは歩行時間だけです。コンベアやリフターと組み合わせて初めて効果が出る場合があります。

充電の運用。 稼働率を上げるには自動充電が前提になりますが、充電ステーションの設置場所と台数は、運用が始まってから足りないことに気づきがちです。

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出典

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