第 2 号です。今週は形態の話をひとつと、サイトの更新から。
セミヒューマノイドが当面の主流になる
富士経済の市場調査で目を引いたのは、金額の予測より形態の予測でした。2035 年までは、下半身が車輪のセミヒューマノイドが主流になるという見立てです。理由はコストと安定性。二足歩行は堅牢性が上がるにつれて適用範囲を広げていく、という順序になっています。
これは現場感覚と合います。倉庫でも工場でも、床は平らです。段差があるところには先にスロープが付いています。人の形をした上半身が必要なのは「人向けに作られた棚や道具を使うため」であって、脚が必要なのは「人向けに作られた階段を登るため」です。前者の必要性は高く、後者は限定的です。
「ヒューマノイド=二足歩行」という前提で市場を見ていると、実際に現場へ入ってくるものを読み違えます。 二足歩行のデモ動画は目を引きますが、来年あなたの倉庫に入るかもしれないのは、車輪の上に腕が二本乗った機械のほうです。
脚が効いてくるのは、平らでない場所です。プラント、建設現場、災害対応。この領域ではすでに四足ロボットが巡回点検で実績を積んでいます。人型である必要は必ずしもありません。
「柵なしで置ける」の誤解が根強い
問い合わせでも記事の反応でも、いちばん多いのがこれです。「協働ロボットを買えば柵は要らないんですよね」。
正確ではありません。柵なしで運用できるかはロボット単体の属性ではなく、エンドエフェクタとワークまで含めたシステム全体のリスクアセスメントで決まります。アームが低速でも、先端が鋭利なら、あるいは 10kg の箱を 1.5m の高さで扱っているなら、危険は残ります。
パレタイジングは特にこれが問題になる用途です。協働ロボットを選んでも保護方策が要ることが多い。詳しくは今週公開したパレタイジングロボットの選び方と、協働ロボットは本当に安全柵なしで置けるのかに書きました。
今週サイトに追加したもの
- ロボット用語集 — 66 語。定義だけでなく「カタログには書かれていないが実務で問題になること」を各語に添えました。可搬重量にグリッパの重さが含まれる話、繰り返し精度と絶対精度が別物である話など。
- 用途別ガイド 7 本 — パレタイジング、マシンテンディング、配膳、床清掃、設備点検、ピッキング支援、溶接。
- 解説記事 5 本 — なかでもロボット導入費用の内訳は、本体価格とシステム価格の差がどこから来るのかを項目ごとに分解したものです。見積もりを比較する前に読んでおくと、条件を揃えやすくなります。
来週から
データベースの各エントリの数値検証を進めます。現在はすべて「未検証データ」の表示付きで公開しており、一次資料での確認が済んだものから順に「出典確認済」へ上げていきます。
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